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2014年9月6日に三重県で採集したタイワンオオヒライソガニです。
ここここで載せた個体は、雄で同定が難しかったのですが、これは雌です。
記載論文のFig. 2.のB(タイワンオオヒライソガニ)とG(オオヒライソガニ)を見ると、
Bは三角型で、Gは丸型です。写真の個体は三角型で、タイワンオオヒライソガニと同定できます。
この場所は2006年7月23日に採集した場所とは、直線距離で約20kmほど離れています。

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オオヒラを探しているけど、タイワンや小さ過ぎて同定できないのしか、捕れないというのは、
オオヒラとして記録されている中に、かなりの割合でタイワンが混じっている気がしています。

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和歌山県の汽水域で採集したヒメドロソコエビです。
以前にニホンドロソコエビとしましたが、ヒメぽいので新記事にしました。

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三重県の海で採集したイボトゲガニ(ヒラトゲガニ)です。
1年10箇月ぶりのヤドカリの仲間です。と言っても見た目はカニですが、目立つ脚が4対です。

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1枚目は雄で、こちらは雌だと思います。過去にカニダマシ科はたくさん捕ったが撮ってない…。

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長野県上伊那地域で採集したヌマエビ北部-中部グループの一型(未同定)です。
ヌマエビ北部-中部グループは9型です。卵無し、頭胸甲上棘数0、額角上縁棘数16前後。
これだけの情報では同定が出来ません。長野県上伊那地域は遺伝的報告がありません。
但し、採集場所は天竜川水系上流域で、下流域の集団は東海型とされています。
同一水系なため同じかというと、天竜川は上流域と下流域で魚類相が大きく異なります。
ヌマエビ属は魚類と同じ水生生物でもあり、同一水系からだけで東海型とは判断できません。

2014年5月に「日本の淡水性エビ・カニ」が発行されました。
写真は生態と標本の両方を載せ、特徴を捉え、珍しい離島の固有種も多数。素晴らしい。
内容はやや専門的で、普通の人(私も)が読むと、頭に疑問符が浮かぶかもしれません。
それでも、サワガニ科の充実、カワリヌマエビ属の一種(外来生物)にも触れていて、
この一冊でエビカニのことを、全て知った気にさせてくれる、良い図鑑です。

残念なのは、ヌマエビとヌカエビのことは、ちょっとすっきりさせすぎな気がしました。
また、ミゾレヌマエビの写真4枚のうち、1枚はこの本で言うヌマエビだと思います。
それ以外に脱字など細かなところはありますが、お前が言うなと言われそうなので(笑)。

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この本では、タイワンオオヒライソガニの分布として、三重県と記されています。
あれっ?と思いました。三重県での分布は、このブログの記事でしか報告が無いはず。
参考文献も確認しましたが、載っていないぞ。この分布情報の出典が知りたくなりました。
ちなみに、タイワンオオヒライソガニは、三重県で2006年7月23日に採集した個体です。

某先生に著者T氏のメールを教えて頂き、確認したら、私の記事を参考にしたと認めました。
参考文献は膨大になり、本のページ数の関係から、分布の文献までは掲載できなかったと。
事後だけど理解と了解して欲しいと。唖然としました。これ私は了解するべきですか?
ポケット図鑑は参考文献が膨大になる場合、主要文献のみ載せるという慣例があることも、
理解していますし、参考文献を載せないものが、一部にあることも知っています。

仮に三重県初記録として、私が報文準備中だった場合、この本に記されていると、
レフェリーから指摘された場合に、新知見として載せることが、出来ない恐れもあります。
(三重県はこのブログで既報ですが、それも加えて未報告の別の県でも確認しています)
これまで日淡ネタでは、紙媒体にいくつも出典を載せず、パクられています。
あまりに多いので、「著作権 Webサイトと書籍」という見解を載せているほどです。

私がネットで発信した新知見が、紙媒体に出典を載せずにパクられ、
その後に私の方が、紙媒体からパクったように誤解され、迷惑することもあります。
こちらは無償でパクられ損です。本は有償です。原典の私にたまたまバレたので、
事後了解して欲しいと言う前に、このブログはメールを載せ、コメント欄もあるため、
参考文献には載せないわけですから、連絡する必要が、あったように思います。
これは分布情報の確さを調べ、本の信頼度を高めることにも、繋がると思います。
また、第二著者S氏は私と面識があり、その繋がりで連絡することも、可能だったはずです。
ちなみに、3月発行で同出版社の淡水魚識別図鑑には、参考ウエブサイトとして、
日淡会が載せてありました。それだけで済むのに、なぜその一行が出来ないのだろう。

裏を返せば、私のブログのような小さな情報も収集され、検討されていることからも、
熱くて濃いものを感じます。この本は写真だけでも買う価値は、十分にあると思います。
今後に淡水性エビカニの同定は、バイブルとして使わせて頂こうと思っているほどです。
それだけに、つまらないことで、愚痴らせないでほしいです(笑)。

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2013年10月6日に熊野灘(三重県南部)流入河川で採集したモクズガニ科の一種(未同定)です。
河口域(塩分3~5‰程度)の泥底を、たも網で底引きした際に、1個体だけ採集しました。
採集直後はオオヒライソガニかタイワンオオヒライソガニだと思ったのですが、
眼窩外歯の尖り方、歩脚の白点、腹節の形状、交接器などが、両種とは異なる様でした。
そこで写真同定を数人にお願いしたのですが、すっきりするご回答は頂けませんでした。
ここではモクズガニ科としましたが、それもちょっと自信がなくなっています…。

この個体は取り出し難い、汽水魚水槽へ入れてしまい、今は死んでいるかもしれません。
そこで昨年12月に、採集を試みましたが、捕れませんでした。手掛かりは十数枚ある、
写真だけになりました。再び採集を試みるにも、流れ者だと難しい気もしています。
標本にしなかったことを悔やんでいます。三重県初記録の種類のような気はしています。
この程度の写真では、ずばりこの種類というのがわからなくても、ご教示お願いします。

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裏返し。

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笑顔で横歩き。

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ミルフィーユの様。

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同定に重要な個所のはず。


追記 2014年01月23日
K先生にヒラモクズガニと教えて頂きました(感謝)。