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三重県の水路で採集したヨコハマシジラガイです。
10年余り前に、岐阜県の小河川で何種類かイシガイ科が捕れ、その中にそれっぽい個体を、
捕った記憶があり、その場所で昨年も狙いましたが、イシガイ科は何も捕れませんでした。
前と環境はそれほど変わっていないですが、雑誌に貝がいることが載せられてしまい、
更に前よりも川へ入り易くなり、たぶん乱獲で消えたのだろうと推定しています。

先日、うなたろうさんに、ヨコハマシジラやオバエボシの捕れるところを、聞いてみました。
すると、何貝かはわからないが、何種類かの貝が捕れるところを知っていると。
蛤捕りを終えて、うなさんと別れた帰りに、maikyさんと行ってみることにしました。

教えられた場所に着きました。ビニール手袋は蛤捕りで濡れてしまっていたため、
素手で気温-1℃の中、胴長を履き、水路の中へ入りました。そして数回たも網を入れると、
ヨコハマシジラガイがざくざく、更にオバエボシまで混じる、夢のような場所でした。
要芽さんとは琵琶湖へ潜って、漕艇部に怒られてまで、真剣に探していたオバエボシが、
こんなにあっさり。2種類とも捕れるなんて。どんだけ苦労して探したことか(感慨無量)。

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一掬いで5個体くらい捕れるので、採集は狭い範囲をしただけで、すぐに終わりました。
maikyさんと捕れた理由を分析しました。まずmaikyさんと私の2人だけで採集へ行くと、
目的の物が捕れる確率が非常に高い。そこにどなたか加わると、確率が下がります。
そして、うなさんから聞いた、ぼやっとした情報は、たいてい当たりが多い。
更にハマグリが不漁で、他で挽回したいという、やる気力がまだ残っていた。
しかも、昨年にtさんだけが胴長で入った水路でした。私が二枚貝は捕れませんか?
と聞いたら、捕れないと答えが返って来ました。tさんが捕れないと答えた場所は、
捕れる確率が高い場所です(爆)。様々な好条件が重なって、採集するに至りました。

ちなみに、三重県RDBでは↓のようにあります。本冊も確認しています。
「既知の生息地は5地点以下で健全な個体群が維持されているのは1地点のみである」
この場所は地図にプロットされた場所ではありません。kondo先生のサイトで確認しても、
プロットされていませんでした。しかも健全な個体群。次記事のオバエボシも同じです。
うなさん、maikyさん、要芽さん、そして忘れてはいけないtさん、ありがとうございます!!


追記 2020年01月25日
Y氏にご教示して頂きました(感謝)。当産地はニセマツカサガイ三重県中部型(暫定名称)で、
三重県の他産地や愛知県・岐阜県などは、ヨコハマシジラガイだそうです。

コメント一覧

white-wings - 2014/02/13 (木) 22:57 edit

こいつ、原記載は横浜なのですよね?
う~ん、関東でひょっこり撮れたら楽しいのに…。

maiky - 2014/02/13 (木) 23:05 edit

小判がザックザックと楽しい採集でしたね〜。
皆様のお蔭です。蛤より淡水二枚貝は価値が高いです!
今年はこれ以上の採集成果は出ないですよね、きっと。

西村 メール - 2014/02/14 (金) 00:15 edit

コメントありがとうございます。

white-wingsさん。http://mussel-project.uwsp.edu/db/db.php?p=div&h=b&l=spec&n=17079
タイプが検索で簡単に見られる時代って素晴らしい。関東だとより捕り易いかも。
某タナゴのところは、母貝みたいだという発表を、聞いた記憶があります。
ヨコハマシジラガイとニセマツカサガイは、オトコタテボシガイのシノニムの疑いも。

maikyさん。楽しかったです。蛤より捕るまでに苦労していますからね。
しかも食べて終わりじゃなくて飼える。今年はイケチョウガイを捕りましょ~う。
ビワコミズシタダミも春に捕りたいです。アナンデールヨコエビも今冬に狙いたい。

サレンダー メール - 2014/02/14 (金) 19:58 edit

こんばんは。

似てるとは知ってましたが、マツカサガイとの見分けがつきません。2012年に福島で採集したのもこれの可能性あるかも。

西村 メール - 2014/02/15 (土) 22:01 edit

サレンダーさん。コメントありがとうございます。
どこがどう違うとかは、細部になるため書きませんが、どちらも福島だといるでしょうね。
私はマツカサガイはたくさん捕っているので、ヨコハマはぜんぜん違う印象を受けました。

タロベエ - 2014/02/19 (水) 16:34 edit

陰ながら貢献出来て良かった…
これが自分の役目…(笑)。

西村 メール - 2014/02/19 (水) 23:12 edit

タロベエさん。コメントありがとうございます。
非常に貢献しています(笑)。捕れなかった場所をリストで下さい(爆)。

(・ω・)顔文字。 - 2021/02/18 (木) 13:35 edit

こういうのイロイロ種類別に(・ω・)分類してレアだ何だと
やられておられますが、こういう類似してるものは交配できるでしょ?
できない??人間側で勝手に分類区別されて交配を「交雑」なんて認定
されたらその生物は不幸になります。国際結婚を交雑として喜べない
なんて生物を愛好していると言えないですよね?学者さん達は・・。

西村 メール - 2021/02/19 (金) 06:11 edit

(・ω・)顔文字。さん。コメントありがとうございます。
15~20年くらい前に、そうした議論はたくさんしました。何か懐かしくなりました。
ヒトは Homo sapiens という1種です。ヒトとヒトの国際結婚は交雑ではありません。
ニセマツカサガイ三重県中部型も未記載ながら1種です。
ニセマツカサガイ三重県中部型とニセマツカサガイ琵琶湖型の交配は交雑です。