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昨年、別のブログでも同じタイトルで記事を書きました。
それだけ多いネタなのですが、このブログでも書いておこうと思いました。
さて、写真は昨日(2009年11月26日)に名古屋市のスーパーマーケットで見てすぐ、
偽装ってるとわかりました。店内で撮影して、安かったので購入しました。
写真にモザイクを入れて、あえて疑惑と書きましたが、限りなく黒に近いグレーです。
なお、証拠としてこのシジミパックは冷凍庫に眠らせています。食べるかも。

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三重産のシジミにしては安い。それだけでも見分けるポイントになります。
こうしたシジミは貝卸売業者がスーパーに卸す前に偽ったり、
スーパーの工場で偽装パッキングされて各店舗に送られたり、
シジミだけ送って各店舗でパッキングされる場合が多いようです。
そのため各店舗内で偽装作業しているとは限らず、
消費者が産地偽装に気付いても、店長呼んで来いっでの解決は難しいです。
気付いて腹が立ったら、各都道府県の食品表示110番に電話してみましょう。
私はまたやってるわと思うくらいで近年は麻痺しています。

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日本で「しじみ」と呼ばれ売られているものは、ヤマトシジミ(汽水)、
マシジミ(主に淡水・汽水)、セタシジミ(琵琶湖)の3種類だけです。
これに混じって放流された外来シジミ(タイワンシジミ種群など)が、
特に関東では捕れるようで、関東産のシジミパックではたまーに見かけます。
三重県は●三重産しじみ1と2にも書いていますが、
シジミが捕られている産地がほぼ木曽三川河口域付近に限られていて、
そこではヤマトシジミとそれに少し混じったマシジミくらいしか捕れません。
外来シジミが出るとしたら、タイワンシジミ種群が希に混じるかもという程度です。
しかし、この2パックに入っているシジミは、全て外来シジミです。

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これは中国の太湖産シジミ(Corbicula largillierti)だと思います。
ヤマトシジミやマシジミでここまで膨らみが強いものはありません。
産地偽装と思われるシジミの5割くらいはこの太湖産シジミのため、
膨らみが強いというだけでもスーパーで見分けるポイントになります。
また、琵琶湖産(セタシジミ)ではない場合、シジミパックの大半は
ヤマトシジミのため、黒くて光沢のあるシジミが1つもなかったら怪しいです。

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特徴のある個体を選んで撮影してみました。
下段中央はまずタイワンシジミ種群だと思います。
太湖産シジミはタイワンシジミ種群が僅かに混じって捕れているようです。
これらに加えてロシア産シジミやヤマトシジミぽい北朝鮮・韓国産シジミが、
混ぜてある場合もあります。更に日本産ヤマトシジミも混ぜてあったり、
国を超えてオリジナルブレンドされたものが売られていることもあります。
それをブレンドしましたとか、ロシア産とか書いている店は見たことがありません。

私はこの問題は結構調べていて、1件は悪質と思って通報したことがあります。
その後にこのスーパーには、以前はなかった、店内撮影禁止と書いてありました。
おそらく私が店内で撮影したものを、証拠として出したからだと思います。
まだ偽装する気かと思いましたが、スーパーにとってはバレたら信用問題で、
ハイリスク・ローリターンの産地偽装は止めたらいいのにと思います。
たいてい偽装が発覚しても、改善指示が出るだけなので、ローリスクなのかな。

誤解されたこともあるのですが、これはたまにマスコミで取り上げられる、
蓄養による呼称の変更問題ではありません。三重県はシジミの資源量は豊富で、
わざわざ国外産を輸入して蓄養する方がコストが掛かるでしょうし、
パックに入っていたのは中国の淡水域に生息する種類のシジミのため、
三重県の貝業者の施設は沿岸域がほとんどで、淡水で蓄養するとは考えられません。

私はスーパーに行ったら必ずシジミ売場を覗いていますが、
数年前まで安さを売りにした地元密着型の中堅スーパーのシジミは、
呆れるほど産地偽装が常態化していました。やっていないところの方が少ないくらい。
今年も何件か確認しましたが随分と減りました。まだまだ探すとありますけどね。
大手のイ○ン系スーパーだけは、これまで1度も偽装を見たことがありません。
シジミを通じて他の商品も良いものだと、私の中では信用度が高くなりました。
大手に対抗する中堅のスーパーは、こうしたところでコストカットしているのかな。
なんだか長文でぐだぐだしてきたので、このあたりで止めておきます。

コメント一覧

ryu-oumi - 2009/11/30 (月) 09:20 edit

ブレンドシジミ・・・
逆にそう表示をされていたら興味を引くかも。
以前、知人と話していたのですが
『凄く不味い国産、凄く美味しい中国産ならどっちを食べる?』
安くて美味しければ、消費者も買うんじゃないのかな?
西村さんの○オンの話と同じですが、
シジミで偽装しているなら、他のもしてるだろうな・・・
そういう信頼を失う行為の方が、店としては損失が大でしょうにね。

西村 メール - 2009/12/01 (火) 01:33 edit

ryu-oumiさん。コメントありがとうございます。
中国産(太湖産シジミ)は何度か味噌汁で食べたことがありますが、
砂出ししていないことがほとんどで、身を食べようとするとじゃりじゃりするし、
味も時期で大きく違いますが、ヤマトシジミとは比べ物にならないことが多いです。
良いことは安いだけです。ヤマトシジミは2月頃のがおすすめです。
信頼が大切ですよね。1つ誤同定すると、みんな誤同定と思われる(嫌だ~っ)。

渡辺謙司 - 2009/12/09 (水) 11:23 edit

西村さんのシジミ記事を、しみじみと読み興味が倍増。
これまでシジミを喰った事はあるものの、自分で買った事はありません。
昨日チャンス到来、運転手&荷物運びで寄ったスーパーで島根県産しじみを発見。
1パック380円也の高級品?そっと母のカゴへ投入。
グラム単価表示が無く帰宅後に軽量、パック込みで290g。
サイズは約2.5~1センチとばらばら、並べて見るも種類は?
色は黄色っぽいモノと黒っぽいモノが半々。
素人目にはヤマトシジミかなと。
特徴のあるバチ型とか膨らみや筋の強い物はありませんでした。
今後スーパーへ行く度にシジミハンターになりそうな予感です。

西村 メール - 2009/12/10 (木) 00:50 edit

渡辺謙司さん。コメントありがとうございます。
パックは10gとして、100g当り約136円。普通だと思います。
100g当り100円を切っていると怪し度が増します。シジミハンターになって下さい。
こうした関心を持って下さる方が増えれば、より良い方向へ向かうと思います。