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2017年9月16~17日は函館にいました。詳細は写真掲示板に記したので割愛します。
たいち君、高橋君、さわだ君、おりざ君、西村で、函館とその周辺へ連れて行ってもらい、
念願だった模式産地と思われる地域で、キタノカワニナを採集することが出来ました。
ここに至るまでには、たいち君らの協力があってこそです。改めて感謝を申し上げます。

このキタノカワニナ(MELANIA DOLOROSA)ですが、詳細はこちらを見て下さい。
函館と書きましたが、実際はstreams near Hakodadi(函館周辺の川)です。
1859年当時にどの範囲が函館と呼ばれていたか知りませんが、
函館市の市街地から少し離れた、函館市郊外・北斗市・七飯町あたりだと思います。
そうした地域の3箇所で採集させてもらいました。短時間でしたが満足でした。

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3箇所のうちの2産地です。縦肋の有無は同定に使えない感じです。
カワニナやチリメンカワニナと、外形で識別するのは困難かもしれません。

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チリメンBに似た個体の胎殻です。これを見るとチリメンBぽさはありません。
むしろカワニナに近いけど、カワニナよりも大きく、色が薄くて、弱く縦肋があります。

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この親貝は縫合部のくびれが強く、縦肋が有ると言っても良い個体です。
これも似たような胎殻です。何となくカワニナとチリメンカワニナの中間のようです。
芦ノ湖のハコネカワニナとは、親貝は印象が異なるものの、胎殻は似ている感じです。
あまり深く考えても、カワニナ類はナンセンスなので、考察はここで止めておきます。

日本産カワニナ属21種類のうち、カワニナ(奄美大島)とチリメンカワニナ(横浜)以外は、
お蔭様で模式産地にて採集することが出来ました。キタノのチリメンは同種の疑いもあり、
そうであればチリメンはシノニムになって、横浜も行かなくて良くなるのですが、
カワニナは生き残るでしょうね。そうなると何れは奄美大島へ行きたくなるのかなぁ…。

コメント一覧

white-wings - 2017/09/24 (日) 12:45 edit

こんにちは。北海道お疲れ様です。
私は毎週行っています、もう行きたくないです。

ハコダテではなく、ハコダディなのが面白いですね。
このほうがアイヌ発音に近いのかな?と思ったらアイヌ語ではウスケシで、函館は日本語であった…。

カワニナは奄美大島が模式ですか、それは面白いですね。
模式産地が分布の端っこだったり、偶産っぽいものが虫でも多々あります。
そういうのは攻めにくいですよね…。

西村 メール - 2017/09/25 (月) 07:17 edit

white-wingsさん。コメントありがとうございます。
毎週って…。お疲れ様です。ハコダディはいいですよね。
スイゲンゼニタナゴの模式産地もNodogawa Riverで混乱が生じていますね。
虫も亜種が多そうですが、移動性の乏しい生物は、産地が重要なので、攻めるの大変です。

さわだ - 2017/09/29 (金) 23:48 edit

遅くなりましたが、ハコダディでもお世話になり、ありがとうございました。
北の地でも本州と同じような感じでカワニナは棲んでいましたね。本当に強い生き物です…笑
実際に現地で採集するまで、北方にはキタノカワニナと呼ばれるカワニナ類しかいないのかと思っていましたが、外見では本州のチリメンカワニナと区別できない個体が多く出現し、驚きました。
改めてカワニナは難しいなと思いましたが、少しずつ明らかにしていきたいです。

西村 メール - 2017/09/30 (土) 22:30 edit

さわだ君。コメントありがとうございます。
カワニナはゴールのない迷路なので、同じようにカワニナのことに興味を持つ人がいたら、
去年の私以上に、それだけは止めておけと、経験者として伝承していって下さい。