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三重県の汽水域で採集したミナトオウギガニの雄です。
この場所では2004年頃からケフサイソガニ類と一緒に、
汚い別のカニがいるなぁと思っていましたが、種類はわかりませんでした。

魚しか興味がない私は気に留めていませんでしたが、とりあえず、
マゴコロガイさんにご教授して頂こうと思い2006年8月13日に撮影しました。
研究者に尋ねて下さり当初はミナミトラノオガニと同定して頂きましたが、
後に日本ではほとんど知られていない Rhithropanopeus harrisii だとわかりました。

このカニを研究者らが知ることになったのは、愛知県で初記録された2006年7月です。
私が撮影する1ヶ月前のことだったのです。それ以前の2004年頃から確認していたので、
この2年間に撮影して標本登録していれば、私が初記録だったのにと思ったのでした…。

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裏返すと鉗脚が二枚貝のような光沢があって、それとは対照的に他は頑固な汚れ模様。

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汽水で飼育していましたが、のっそりとした動きで、地味なタイプであまり…。

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この個体は8月24日の雌ですが抱卵していました。

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こんなにたくさん捕れてしまいますが、バラスト水でやって来たと思われる外来種です。
種としてはミナトオウギガニとされますが、亜種としてはどちらか不明です。
Rhithropanopeus harrisii harrissi
Rhithropanopeus harrisii tridentatus

このカニさんは釣餌用のカニを捕る罠(通称:ナニアミ)にも見られ、
別所で余った餌として捨てられたりすれば分布拡大が懸念されます。
ウナギ釣りの餌取りでタカノケフサイソガニがたまに釣れてくるのですが、
近年はミナトオウギガニが釣れることもあり、徐々に増えている気がしています。
こうした新参移入種がもう出てこないことを願っています。

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