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沖の白石へ着いた要芽さんと私は、素潜りの準備に入ります(ワクワク)。
私はライフジャケット・パジャマの長ズボン・麦わら帽子を外し、軍手・シュノーケル・
マスク・フィン・網袋を装着。2人で一昨年と昨年にシライシカワニナがよく捕れた場所へ。
軽く潜ってみると、すぐに捕れた!! 何度捕っても嬉しい。来てよかった~っ(感動)。
要芽さんが捕れないので、その場所を譲って、私は別の場所へ潜るが、全くいない。
今年も数は捕れんなと思い、要芽さんのところへ戻る。すると、普通に捕れてるやん!!

同じポイントを2人で潜り続ける。要芽さんは1回の潜りで、20個体くらい捕ってる(驚)。
水深2m以深にはシライシカワニナがごろごろいる。なんだここはっ。夢のような世界だ。
一昨年と昨年はヤマトカワニナ(チクブカワニナ型)の方が多かったけど逆転している。
2人で数だけ捕るならば、1000個体も可能だと思うほど、いくらでもいる。
個体も選びたい放題だが、巨大なのがいない。だいたい殻長3~4cmで型が揃っている。
S先生に見せて頂いた標本は、殻長6cmくらいあったけど、そんなのは全く見られない。

要芽さんは捕れ過ぎて、少し飽きた感じがだったので、私だけもう少しここで捕るので、
沖の白石を1周したらと話し、別々に行動することにした。この夢のような生息状況を、
デジカメ動画で撮ろうと潜ると、水深3mくらいでデジカメから、空気がぽこっと出た。
浸水はマズイと思って、個体数が少ない浅場だけ撮影して、深場の撮影は諦める。

要芽さんが戻って来た。周りを見渡すと、沖の白石周辺に、バスボートが3~4艘もあり、
ルアーを投げている。いつのまにか潜り難い状況になっていた。バサーが話し掛けてきた。
バサ「おはよーう何捕っているの?」 西村「貝です」
バサ「ボートを漕いで来たの?」 西村「はい」
バサ「すごい」 西村「2回目です」 バサ「すごいっ(大声)!」
などと会話する。船に乗る人には、ここにゴムボで来る厳しさが、わかるんだろうね。
カヤックに乗る人にとって沖の白石は、聖域や憧れの場所として、有名なようです。
カヤックはゴムボより推進力が遥かに上で、水面露出が少なく、風の影響を受け難く、
まるで違うものだと、今日何度も言っておきます。沖の白石夏期講習。現世者2名。
しかも、カヤックはたいてい沖の白石を1周して戻るだけ。我々は着いて休憩も無く、
水深5mの素潜りですよ。それがどんだけしんどいか、今日何度も言っておきます(笑)。

要芽さんは疲れたようで先に休憩。私はでっかいのを探して、まだまだ潜り続ける。
合計1時間30分ほど探したがおらん。少し心残り。諦めてシライシ号のところへ戻る。
2人で合わせて、シライシカワニナ200個体くらい(写真で数えたら231個体)捕れた。
ヤマトカワニナ(チクブカワニナ型)も15個体くらい(写真で数えたら20個体)捕れた。
捕り過ぎって? まだいくらでもいたので、資源量から見たら、問題ない量なのです。

橙色の網袋はmaiky(現世者)さんから頂きました。安全航行の御守りになりそうです。
昨年は北船木へ戻る間に、ジップロックに入れた個体が、高水温で少し死んだので、
それを防ぐため、網袋をシライシ号の船尾にぶら下げ、水に付けて戻ることにしたのです。
漕ぐときに抵抗は強くなるでしょうが、生かして持ち帰るためには、仕方がありません。
また、保険でジップロック2つにも少し分けて、シライシ号に入れて戻ることにしました。

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○ロリーメイトってこんなにパサパサやったっけ。と思いながら食事。私は休憩も無く、
北船木へ戻ることに。まず、シライシ号の荷物を全て出して、船内に入った水を抜きます。
2人で引っくり返すと、こんなに水が入っていたんかと思うほど、ザーッと出ました。
びしょびしょになったパジャマの長ズボンを穿き、ライフジャケットと麦わら帽子を装着。
そんな時に岩をすべり落ち、左足首に擦り傷(出血)。カワニナ採集と生傷はセットです。
シライシ号を水面に浮かべ、今度は私が前部座席へ、要芽さんが後部座席へ乗り込みます。
沖の白石とはお別れです。何か寂しい気持ちに。ありがとーう白石くん!(畏敬)

現在09時42分。釣堀のようにバスボートからバスを釣るバサー。確かに潜ると多くいた。
カルガモの子供が、バスボートに近付いて、昨年もこんなのいたなぁと、思い出しました。
などと、沖の白石周辺をうろうろ。実は北船木がどこにあるか、分からないのです(苦笑)。
ここは冷静になろう。あれが沖島で、そっちが多景島だから、こっちかなと見ると、
水平線しか見えない。そもそも北船木って、目標物が何も無いところなんだよねぇ(汗)。

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北船木へ戻るまでが遠足です。気合を入れ直します。写真を見るとわかるように、
目的地はピンポイントではわかりません。だいたいの方向だけは、何となくわかったので、
とりあえず、そっち方面へ漕いでみます。この時間の風予報は、追風4mでしたが微風。
追風に乗って、すいすい戻れると思っていたのにぃ。とにかく漕ぎ続けないと戻れません。

要芽さんは相変わらず、左側は回転漕ぎで、左へ左へと進みます。それを右へ戻す私…。
私はパドルの漕ぎ過ぎで、左手の親指と人差し指が、皮が捲れて非常に痛みます。
元々ない持続力が更に落ちて、本気漕ぎを30秒すると、休憩2分という感じです。
それでも戻らないといけません。風波のない今のうちに、少しでも進んでおかないと。

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水上バイク(暴走族)の引き波で、シライシ号が煽られたり、漕ぎ方が雑になって来たので、
シライシ号の中に水が入りやすくなり、お尻には水溜りが出来ていました。
要芽さんは、それを浸水と勘違いしたり、山で稲光があったと、不安なことを話しながら、
目的地の北船木がどこにあるか、ようやく目視できるまでに、近づくことが出来ました。

両肩は漕ぎ過ぎ、疲れたを超えて、痛みに変わりました。これは後で気付いたのですが、
先日の壮行会に写ったパドルのグリップと、上の写真のグリップ。よーく見て下さい。
滑り止め部分が違います。壮行会の方が丸くて太い。上の写真の方が細くて尖る。
壮行会でシライシ号とカワニナ丸のグリップが、1つだけ摩り替わっていたのです(爆)。
ようするに、左手だけ皮が捲れたのは、カワニナ丸のグリップを使ったからでした。
わかってくれますか。カワニナ丸の怖さ(笑)。だからシライシ号とは少し違うのです。
カワニナ丸も何とかして、沖の白石へ行きたかったんだね。不思議な執念を感じます。

北船木まで300mを切ると、家族連れが楽しそうに遊ぶ様子が、はっきりと見えてきました。
ここで転覆しても、助けてもらえるはずだ。そんな安心感で、自然と表情が緩みます。
出航したときには、岸には誰もいなかったのに、バナナボートやコイ釣りしている人まで。
着岸できそうな隙間を探し、後一踏ん張りだ。シライシ号が底を擦って破れないよう、
私がコントロールする。もう足が着ける。琵琶湖ってこんなに浅いところあったっけ(笑)。
要芽さんが先に降りる。そして私が降りる。2人でシライシ号を陸へ運んで置く。よしっ。
ぬぉぉぉぉ。やったー!!! 要芽さんと抱き合う。生還できたぁ(1機も死なずにクリア!)。

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現在11時40分。帰りは1時間58分だったか。合計4時間2分も漕いでいたことになる。
カワニナ丸より遥かに順調でした。北船木→沖の白石→北船木 (往復12km)。
危険度ランキング!で言えば、「沖の白石 2012」■■■■■□□□□□ 50 くらいですね。
風波が弱いだけで、安全度が全く違う。気温もあまり高くなく、曇りで日焼けも酷くない。
条件的には最高でした。運が良かったです。もう沖の白石へ行くことはないだろうなぁ…。
皆さんはくれぐれも真似しないように。風波が強いときは、1機ではクリアできませんよ。

少し冷静になってくると、汗臭いことに気付く。琵琶湖冷泉へ入る。気持ちが良い。
シライシカワニナを確認すると、全て生きている(嬉)。2人でシライシ号を車へ運ぶ。
水が入っているため重い。荷物を出して海パンなどを干す。沖の白石へ持って行ったが、
食べていない物があった。ウメガシャキである。塩分不足かもしれないし、2人で食べる。
5秒でほぼ同時に吐き捨てた(笑)。これは塩分不足になっても、1粒で塩分過多になるわ。

要芽さんは車で仮眠。私はシライシカワニナなどを撮影する。maikyさんに生還の報告電話。
45分ほどで要芽さんが起きて来た。荷物を車に積む。今日はまだ2箇所で潜ります(爆)。
水に長く浸かり過ぎた要芽さんの皮膚は、細胞が死んだようで、白い粉を吹いていた…。
いつもの魚清でイサザの佃煮を買う。某浜へ到着して、濡れた海パンと長袖をまた着る。
1時間近く潜って、ナガタニシがそこそこ捕れた。次は湖西地域から湖北地域へ向かいます。
レーダー画像を見ると、潜るところは、雷雲があってマズイ感じ。それでも行きますよ。

私はそろそろ限界になり、移動中に助手席で眠らせてもらう。でも意識が無くならない。
浅い眠りで何度も起きる。ほぼ眠れず。現地へ着くと小雨。もうすぐ17時になりそうだ。
暗くなる前に潜るしかない。目的はオトコタテボシガイ。15分くらいで1個体が捕れた。
要芽さんはまだ捕れていない。その後に30分ほど探すがぜんぜん見つからない。
ここは水温が低い場所があって、普通は避けるのだけど、なかなか捕れないので、
そこにいるかもと探し続けると、体が冷えて来た。そしてお腹が痛くなって来た(ヤバイ)。

要芽さんは1時間近く経ってもまだ捕れない。真剣に探しているので、捕らせてあげたいが、
私のお腹はますますヤバイ。近くにトイレは無い。物陰に隠れて用を足すところも無い。
この場所には、要芽さんと私の2人しかいない。皆さんこういう時にどうしますか?
選択肢は無いです。要芽さんに事情説明。こっちに来るなと言う。なるべく沖へ泳ぐ私。

初めての水中便所。海パンを降ろして力む。下痢なので浮上する。これは想定外です(焦)。
フィンを動かしながら、アメリカザニガニ泳ぎで、後ろへ進みながら撒き散らす(爆)。
フィンの動かし方を間違えると、あれが目の前に迫って来る。追いかけてくるなー(必死)。
50mはアリザリ泳ぎをしただろうか。何とかなった。ふぅ。これは沖の白石より危険だった。
ありえない状況に、面白くて仕方がなかった。あっ冷水洗浄便座なので、お尻は清潔です。
沖の白石は鳥の糞で白くなった。琵琶湖は...大丈夫だ。きっと。そんなの迷信だ。

オトコタテボシガイがまだ捕れない要芽さん。少し身軽になった私は浅場へ潜ってみる。
すると砂底で良い環境が広がっており、オトコタテボシガイがいたっ。要芽さんを呼ぶ。
このあたり捕れるかも。すると要芽さんも1個体を捕った。そのときまたお腹が…。
トイレに行くと、要芽さんに伝えて、沖へ泳ぐ(爆)。アメザリ泳ぎもだいぶ上達した。
ちなみに、軽犯罪法の第一条の二十六。「街路又は公園その他公衆の集合する場所で、
たんつばを吐き、又は大小便をし、若しくはこれをさせた者」は拘留又は科料があります。
たくさんの人がいる海水浴場でやったら、軽犯罪法に触れますので、気を付けて下さいね。

車へ戻ったときには19時を過ぎていた。2時間余り潜ったり、アメザリ泳ぎしたことになる。
沖の白石で1時間30分。ナガタニシで1時間近く。オトコタテボシガイで2時間余り。
合計4時間30分くらい琵琶湖に生息。ようやく帰路。お腹は減ったが、飯を食う元気がない。
滋賀県から愛知県へ。途中でmaikyさんのお宅に寄る。シライシカワニナをプレゼント。

22時30分頃に西村宅へ到着。荷物を降ろす。この頃になると、沖の白石へ行ったという、
高揚感はもう無く、よくある採集の帰りのような、気持ちになっていた。唯一違うのは、
生きたシライシカワニナがどっさりいる。見慣れない形状だけあって、格好良く見える。
要芽さんお疲れ様でした。お陰さまで生きていますっ。行く決断をした勇気に敬服します。
少し気になったのは、要芽さんがシライシ号を、大切に持ち帰ったことです。
竹生島・小島あたりは、ちょっと手薄だけど、また使おうなんてことは無いよね…。

実は一昨年と昨年に、沖の白石から戻って、予想外の出来事が、色々とありました。
これは白石神の祟りなのかも。今回も何が起こるのだろうと、かなり怯えていました…。
翌日に冷蔵庫を開け、魚に餌をあげて、もう1度冷蔵庫を開けたら、壊れていました(笑)。
私が触れたので壊れたみたい。この冷蔵庫が壊れたのは初めてです。もう超祟力です。
電気屋さんに直してもらうまで2日間。予備の小さな冷蔵庫と氷で何とかしのぎました。
ただ、冷蔵庫が壊れたくらいで良かった。一昨年と昨年はもっと酷かった(書きませんが)。

ご心配下さった方々、とても励みになりました。ありがとうございました!
最後になりましたが、琵琶湖の水をご利用の滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県の皆さん。
すみませんでしたm(_ _)m いつまでも綺麗な琵琶湖であることを祈っています!