沖の白石の次は多景島です。船長さんに多景島へお願いしますと伝えます。
実はその前に沖の白石で、船のアンカーが2回も岩に引っ掛かって抜けず、
何とか潜れる位置にアンカーが刺さっていたため、潜って外すことが出来たのでした。
潜れる人がいなかったらアンカーは切り離し、多景島での停留は出来なかったのです(怖)。
個人的には、沖の白石で足ヒレを脱いだときに、ツルツルの岩盤で足がすべり、
磯靴の右小指に穴が開き、同時に小指も負傷しました。その他にも擦り傷が多数。
更に船上のパイプに、右目の上をぶつけ、皮膚が割れて流血。ぼとぼとっ(キャー)。
すぐキズパワーパッドを貼ったのですが、そこからはみ出て、目に向かって血が流れ、
周りの方にもご心配をお掛けしました。こんなんほっとけば治ると強がりましたが、
水中マスクを着けるときに、どうしてもその場所に当たるため、すこぶる痛いのと、
キズパワーパッドが邪魔で、水中マスクがぴったり合わずに、水が入ったりで、
この後の多景島での採集は辛かったです。でもここまで来たらやるしかないんです!
沖の白石から多景島は見える位置にあり、船で東に15分ほどの場所に位置します。
船は沖の白石からどんどん遠ざかります。沖の白石の記事の最後の写真を見ると
わかると思いますが、沖の白石の南側へ向かっています。多景島は東側です…。
そこでtさんに話すと、定置網(刺網)を避けるため、大回りしているのだろうと。
それなら納得ですが、その網は陸まであるのではないか、と思うほど長いのです。
10分くらいすると多景島が小さくなってきました。みなさんは平然としています。
私は気が短いので、船長さんに「多景島に向かっているのですよね?」と尋ねたら、
「あっ沖島」って言いましたよ(苦笑)。船は急旋回(爆)。舳先が急に多景島を向きました。
このまま黙っていたら、時間的にも多景島に行けなかったかと思うと、ゾッとしました。
沖島へ行かずに済みました。沖島は定期便もあって、往復1000円で私は何度も行ってます。
このロスは15分ほどで済みましたが、早めに気付いてよかったです。全てが危うい。
多景島へ近づいて来たときには、ようやく安堵感が満ちてきました。ごっつい岩島です。
この多景島と沖の白石は、S先生(大感謝)にご教授頂いたり、ネット等で情報をかき集め、
迷うことなく、短時間で目的達成できるよう、かなり頭でシミュレーションしました。
想像していた船着場(2つあるうちの定期便以外が留まるところ)へ着きました。
さぁ潜るぞと思ったら、こちらに気付いたのか、すぐに大音量で放送が流れてきました。
多景島には入島料が必要ですと。これは想定していました。放送がうるさいので、
すぐにでも1人200円を払って済ませたいところ。しかし、その後の言葉にビクッと。
船着場付近の遊泳は禁止です。ちょっと待てー。それはいくらなんでも想定外デス。
こんな岩島に浅瀬なんてものは存在しない。潜らないと採集できるわけがないのです。
tさんが代表して、島に1人しかいない、尼さんに入島料を払い、交渉してくれました。
1時間くらいであれば潜っても良いと許可をもらい、そのすぐ後で尼さんが、
船着場まで下りて来て、今回は特別だからと、念を押されました。怖い表情でしたが、
美人でした(笑)。一時はどうなるかと思ったけど、これでようやく潜れるぞーっ。
しばらくして、水上バイク(水上暴走族)が島の周りを走り出したと思ったら、
すぐに大音量で、水上バイクは島周辺は禁止とされていますと、放送が流れました。
水上警察を呼ぶぞとも。しばらくすると、本当に水上警察が登場してビビリました。
1つを除いて目的のものが捕れたので、島内もささっと観光することにしました。
島に上って、すぐまた放送が入りそうな音がしました。次はなんだ。緊張が走ります。
もう何でも来いと思っていたら、島内の案内放送でした。もうこの放送嫌っ。
たぶん島とその周辺は、尼さんに隈なく監視されています。この記事もかな(怖)。
多景島は数年前まで、複数の定期便もあったようですが、現在は1日1便で滞在時間30分。
たった30分で、尼さんに許可をもらって、着替えて、あちこち潜って、
体を拭いて、また着替えて、帰りの便に戻ることは、ほぼ不可能に近いと思います。
観光するにも30分は短いというブログ記事をいくつか見かけました。
着くなり勝手に潜ったら、必ず監視されていますから、水上警察が飛んできますよ。
潜ってみたのですが、岩が垂直に近い状態で、休憩場所がほとんどない。
水温が30℃を超えているかもと思って、少し移動したら25℃くらいにいきなり下がり、
更に1mほど移動したら15~20℃くらい。この急激な水温差が移動ごとに続きます。
私は潜れても3~4mでしたが、その付近は水温が急に低く、危険を感じました。
私は中学生時代に水泳部で、1日7500m泳いだこともあり、その自信も後押しして、
潜れましたが、相当な覚悟が必要です。それに素潜りは凪の日と夏限定の採集方法です。
ちなみに、岩場からたも網を伸ばして、採集しようなんてのはまず無理です。
時間も無くなり、琵琶湖の離島から本州へ帰ります。船長さんにもう帰ると伝えます。
そのとき、またアンカーが外れない事態に。今日3度目だよ。また潜ってと思ったら、
今度は潜ってアンカーを外せる深さではない。焦りましたが何とか外れました。ふぅ。
沖の白石と多景島は根掛りしやすいので、アンカーは多めに持っていきましょう(笑)。
私は沖の白石を1周、多景島は3分の1周(2人くらい1周しています)しました。
もうやりきったという気持ちです。それでも捕れなかったアレは8月に狙うぞっと。
船は琵琶湖岸へ戻り、記念撮影してもらい、ここで船長さんとはお別れです。
色々あったけど、ありがとうございましたー。収穫は1つにしてみんなで分けました。
とりあえず、9人が生きて戻って来れました。ひとまず解散です。お疲れ様でしたーっ。
一生に一度の沖の白石と多景島。みなさんで経験できたことに、とても感謝しています。
特に一緒に色々と苦労したuさん。多くの情報を頂いたS先生。ありがとうございました。
私はそのすぐ後に4人でミミズ掘り。琵琶湖でウナギ釣り。更に三重県北部へ行って、
トゲノコギリガザミを捕って、家に帰ったのは、26日1時を過ぎていました。
紀伊半島1周に比べたら、こんなもの余裕だと思っていたのですが、風呂に入ると、
体は擦り傷だらけ、皮膚は日焼けでヒリヒリ、潜り過ぎて耳の奥が痛い、
目の上の血は止まったが、青くなって腫れている。翌朝は全身筋肉痛に加えて、
足首は歩くたびに痛い、ついでに、船の料金に加えて、シュノーケルなどの
道具を色々と買っていたので、財布も痛い状態だと気付かされたのでした…。