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三重県東紀州地方の汽水域で採集したトゲノコギリガザミ(ノコギリガザミ)です。
こんなのが深夜に突然出てくると驚きます。夜行性で昼間に見たことはありません。
浜名湖あたりだとドーマンと呼ばれ、このサイズだと8,000円くらいするかも。

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怪獣みたいなハサミをしています。見るからに挟まれたくないですね。
私は軍手した上から手を挟まれ、なかなか取れなくて、男泣きしそうというか、
このままだと痛みで気を失いそう、と思ったほど痛かったことがありました。
これが素手だったら自ら手の一部を裂くしかなかったことでしょう。
この鉗脚でアサリまで潰すらしく、大袈裟でもなく握力は万力並でしょう。
更に対象物にめり込みやすい構造で、危険度は極めて高い生物です!

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この日はアカテノコギリガザミも捕れました。
ノコギリガザミ類は他にアミメノコギリガザミの計3種いるのですが、
私には同定が難しくて「よくわからん!」と終わらすこともあります…。
ここでトゲノコギリガザミとしている個体ももしかしたら違うかも。

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これは三重県北勢地方の汽水域で採集し、一昨日も同じ川で見つけました。
こんなデカイのが意外と町の川で見られたりするのですが、
普通は夜に行かないと出遭えないので、あまり知られていないようです。

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このときはモクズガニと一緒に味噌汁にしました。
カニ味噌はそこそこの味で、2つあるハサミは非常に美味しい。
後は食べるところがほとんどなくて、しゃぶるだけみたいなもったいないカニです。
モクズガニはカニ味噌の部分しか食べないのでもっともったいないカニです。

茹でて食べたこともあるのですが、このノコギリガザミ類の特徴として、
泥の多いところに棲んでいるため、体の隙間から泥が出てくることがあるのです。
奇麗に洗ったつもりでも出てきたりします。洗うにしても切がありません。
また洗っているうちにハサミが簡単に落ちるので悲しい気持ちになります。

同様にモクズガニのハサミにある毛をどこまで奇麗に洗うかというのも迷います。
このノコギリガザミ類とモクズガニの味噌汁も底の方に泥ぽいのがありました…。
近年は泥をもう見たくないため、ノコギリガザミ類とモクズガニは、
捕れても持ち帰らないので、さらにもったいないカニになっています。